日本経済再生本部(第4回)議事要旨

日本経済再生本部 中間とりまとめ(骨子)

平成24年11月16日(金)

【1.基本方針:「縮小均衡の分配政策」から「成長による富の創出」への転換】
(1)「日本経済再生本部」を新たな司令塔に「失われた国民所得50兆円奪還プロジェクト」を展開し、「縮小均衡の分配政策」から「成長による富の創出」への転換を図る。
(2)成長目標:新しい成長戦略の立案・実施、金融緩和、規制改革、有効需要の創出など、あらゆる政策手段を導入して名目3%以上の経済成長を目指す。
(3)成長モデル:今後5年間の集中改革で「世界で一番企業が活動しやすい国」「個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国」を目指すと同時に、海外投資収益の国内還元を日本の成長に結びつける新たな国際戦略(「産業投資立国」づくり)を進める。
 -「産業投資立国」と「貿易立国」の双発型エンジンが互いに相乗効果を発揮する「ハイブリッド経済立国」を目指す。
(4)金融政策:1日も早いデフレ・円高からの脱却に最優先で取り組む。
 -明確な「物価目標(2%)」を設定し、目標達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行う。
 -財務省と日銀、さらに民間が参加する「官民協調外債ファンド」を創設し、基金が外債を購入するなど様々な方策を検討する。
(5)経済財政運営:欧州債務問題深刻化、新興国の景気減速、消費税引き上げに伴う需要不足等のマイナス要因、リスクに備え、弾力的かつ十分な政策対応を行っていく。
 -今後2~3年は当面の景気の落ち込みと今後のリスクに対応できる、より弾力的な経済財政運営を推進する。まず、新政権発足後、速やかに「第1弾緊急経済対策」を断行し、本格的大型補正予算と新年度予算とを合わせ、切れ目のない経済対策を実行する。
 -海外リスク、エネルギー危機、自然災害等へのリスク対応力を強化するため、全国レベルで生活インフラ、ライフライン等の見直しを行うと同時に、危機タイプ別のコンティンジェンシー・プラン(緊急時対応計画)を策定する。
【2.「成長戦略の推進」と「ニッポン産業再興プラン」の実行】
■日本経済再生本部に「産業競争力会議」を設置し、成長産業の育成に向けたターゲティングポリシーを推進する。
  2-1.競争力強化に向けた新ターゲティングポリシーの導入
(1)まず「国民的課題を解決し世界に展開可能な戦略目標設定」(健康寿命世界一、クリーンかつ経済的なエネルギー需給等)を行う。これに基づき戦略産業の育成、コア技術への集中投資、制度改革など、一気通貫の政策を進める。
(2)市場創出・制度改革
 -即効性のある規制緩和策(研究者等の労働時間の柔軟化、介護事業の人員配置の柔軟化など)の早急な導入。
 -戦略分野ごとに企業の活動のしやすさを世界最先端にするための「国際先端テスト」(国際比較した上で規制などの国内の制度的障害を撤廃する基準)を導入する。
(3)コア技術への集中投資
  2-2.ニッポン産業再興プラン:世界で勝ち抜く製造業の復活と付加価値(所得)の高いサービス産業の創出
(1)戦略製造業復活プラン
 -「日本経済再生・産業競争力強化法(仮称)」の制定による先端設備投資の促進、革新的研究開発への集中投入
 -戦略的な長期資金に対する政策金融の強化(「融資」から「出資」へ)
(2)立地競争力復活(海外流出防止)プラン
 -電力・エネルギー制約の克服
 -イノベーション基盤の強化
 -世界水準を目指した法人税の大胆な引き下げ(税率20%台)
(3)新陳代謝・構造転換の促進、中小企業の活性化
(4)生活関連サービスの新産業革命:付加価値(所得)の高いサービス産業へ
(5)地域活性化とリンクした農業産業化支援
3.日本の国際展開戦略:「国際経済戦略会議」の創設
(1)成長するアジア経済圏の取り込み
 -成長するアジア経済圏をこれまでの輸出市場、生産拠点に加え、ハイエンド顧客市場、国際標準作りの基盤、日本のサプライチェーンの一部と捉え、日本企業の活動を金融、情報、制度面等で支援。
 -アジア圏内の通貨・金融面での連携強化
(2)戦略的な海外投資と経済連携協定、国際資源戦略
(3)クールジャパン(コンテンツ・衣食住)の国際展開、日本が世界最先端のインフラ・システム輸出
(4)世界企業の日本立地
(5)グローバル人材の育成、教育機関の国際化
(5)メタンハイドレート・レアアース泥を含む海洋資源開発への集中投資