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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年11月29日(金)
9:08~9:21
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

【2013年度冬季節電期間の開始】
私から1点まず御報告申し上げます。
冬の間の節電の問題でありますけれども、2013年の冬季の電力需給対策として、来週12月2日月曜日から3月31日の月曜日まで、沖縄を除きます全国で、数値目標を伴わない一般的な節電期間に入ります。
 なお、北海道については一般的な節電期間に加え、再来週12月9日月曜日から3月7日金曜日まで6%以上の数値目標付きの節電期間に入ります。国民の皆様には現下の電力事情に鑑み、節電への御協力をお願いしたいと思っております。政府としても、可能な限り供給力を確保するよう各電力会社に要請するとともに、自治体とも連携して、節電に必要な情報の提供など、適時適切なきめ細かい対応に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

私から以上です。

 

(質疑応答)

 

【車体課税】
Q: まず最初、車体課税の見直しについて、昨日自民党の税調で消費税が10%になるときの自動車取得税をなくすかわりに、自動車税の燃費性能に応じた課税という案が出されたと聞いていますけれども、減税して増税するみたいな非常に複雑な制度のようにも見えるのですけれども、まずこの昨日出された案について、大臣の御所見を伺いたいと思います。

 

A: 政府案ということではないと思いますけれども、税というのはシンプルであり、そして今ユーザー負担の軽減というものも極めて重要と考えております。経済産業省としては、平成25年度の税制改正大綱や今般の与党税制大綱を踏まえて、消費税8%段階での自動車取得税の3%引き下げ、そして消費税10%段階での廃止、更にはエコカー減税等の拡充等を求めていくことにしております。平成26年度においては、自動車取得税の3%引き下げやエコカー減税の拡充など、2,500億円の減税を要望しているところであります。
 また、軽自動車についてですけれども、軽自動車は特に地方においては、通勤、通学や買い物に欠かすことのできない、日常生活の足として活用されていることから、軽自動車税につきまして、ユーザーに追加的な負担が課されることのないよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

 

 

【TPP】
Q: 次ですけれども、TPPですけれども、1日にUSTRの発表で、フロマン通商代表が来日するということで、甘利大臣や多分茂木大臣とも会われるやに聞いていますが、最近アメリカもかなり年末の年内合意ということで、そういう関税撤廃を日本に求めていたりとか、かなり交渉のスピードを速めているような印象があるのですけれども、こういうアメリカの姿勢を大臣はどのように受け止められるのかということと、日本政府として、年内の妥結に向けて、どのような交渉に臨んでいくかというのをお考えでいらっしゃいますでしょうか。

 

A: 1日の日曜日にお会いすることになると思います。恐らくTPPの問題、そして2国間の並行交渉の問題、更にはWTOの問題についても議論することになるかと思いますが、年内合意、これは12カ国間の首脳でも合意をされているところであります。
 そして、先日の首席交渉官会合でも、かなり論点というのは絞られてきました。それについて更に、まずアメリカとの間で突っ込んだやりとりができれば、それをシンガポールにつなげられればと思っております。

 

 

【1年を振り返って】
Q: この1年間を振り返る時期にそろそろなろうとしているのですが、この1年間、福島第一原発の汚染水対策で国は随分前進した、国が一歩前に出てきたという印象を受けるのですけれども、大臣からごらんになって、国が一歩出ないとならぬなと、東電任せにできないなと、いけないなというふうに思うようになった一番のエピソードというか、一番のきっかけはどの辺でしょうか、ネズミで停電あたりでしょうか。

 

A: この1年間を振り返ると、どんなことがあっても、経済の底割れを起こしてはいけないということから、我々が最初に取り組みましたのが緊急経済対策、10兆円の補正を組みました。そして、御案内のとおりアベノミクス三本の矢と、大胆な金融緩和、そして機動的な財政運営、そして民間投資を喚起する成長戦略、矢継ぎ早に対策を打ってまいりまして、その成果はデフレからの解消、そして過剰な円高の是正、更にはGDPの成長率も4四半期連続でプラスと、大きな効果が上がっていると思っております。
 ただ、さまざまな分野で積み残されてきた課題というのもあるわけでありまして、その中の大きな一つが廃炉、汚染水対策、そして福島の復興の加速という問題であると考えております。
 1月に私は福島第一原発を視察いたしました。恐らく閣僚として建屋の中に入ったのは、私が最初だと思います。1号機から4号機まで見て、それぞれの号機ごとに状況が異なるという中で、それまでの廃炉に向けたロードマップは全体を一緒につくっていましたので、号機ごとに見直して、廃炉についても加速化を進める必要があるということで、6月にはロードマップの改定も行いました。そして、今月4号機については燃料棒の取り出しが始まりました。一つ一つの作業というのは進んでいる部分もございます。
 汚染水につきましても、これは前政権、東電任せという状態が続いていたわけでありますけれども、4月の段階で汚染水処理の対策の委員会を作りまして、5月30日に緊急対策、抜本対策、こういったものも進めて、    例えば海側におけます水ガラスによります地盤の改良の問題であったりとか、地下水のドレイン、一つ一つの作業というのは進めてまいりました。
 ただ、夏ごろに入って、トラブルというか、まだ個々の事象については、例えばタンクからの汚染水漏れがあるなど、問題が続いておりました。国が前に出て、この汚染水対策全体についてもしっかり取り組む必要があるとの思いを持ちまして、9月3日に原災本部で三つの基本方針、そして10日にアクションプランを作り上げました。そして、それを今実行しているところでありますけれども、更に潜在的リスクがどのようなところにあるか、またアクションプランで行っておりますさまざまな対策がもし十分な効果を発揮しない場合のバックアップの体制と、予防的な対策、そして重層的な対策をとるということにしたわけであります。
 そういった意味において、汚染水で申し上げれば、春ぐらいからも、国が対策について検討しなければいけないという認識は持っておりました。そして、更にその中で対策について、全てを東電に任せるのではなくて、国が前面に出る部分、それについては前面に出ると、これは夏ぐらいにある程度方向として考えていたことであります。

 

Q: その一番のきっかけは停電というのが大きかったでしょうか。

 

A: 必ずしもそれはありません。
 個々の事象で考えますけれども、その総合的な集積として考えました。どこが云々ということではありません。

 

 

【与党復興加速化本部提言】
Q: 自民党の東日本大震災復興加速化本部から、加速化案が提示されまして、1カ月ぐらいになるのですけれども、これを受けて政府が何らかの決定をされるのかということと、それから日程感などありましたら教えてください。
10月31日に取りまとめました。

 

A: 12日の閣僚懇談会で、総理の方から提言をしっかりと受け止め、着実に対策を進めたい、関係閣僚は直ちに検討に着手してもらいたいという指示がありました。早急に取り組んでいく所存であります。経済産業省としても、福島復興の更なる加速に向けて、どの分野に財政措置を必要か、また今後の実施体制をどうしていくか、こういった具体的な対応策の検討を進めております。現在協議中の補正予算等においても、必要な対策はとってまいりたいと考えております。

 

 

【日中韓FTA交渉会合】
Q: 今日で日中韓のFTAの交渉が終わるわけですけれども、中国が防空識別圏を設定するなどの状況下で、今後どのような進捗を期待できると考えておられますでしょうか。

 

A: 日中韓のFTA、火曜日から始まりまして、今日が最終日ということになりますが、中国も日中韓のFTA交渉の重要性については、十分な認識を持ちながら、積極的な姿勢で交渉に臨んでおりまして、今回の会合でもその姿勢に変化はないと思っております。スケジュール感としては、RCEPよりは前にまとめるということになってくると思いますが、互いに国益をかけた交渉でもありますので、今後の進展、予断できない部分がありますけれども、包括的かつ高いレベルの協定を目指して、早期妥結に向けて最大限取り組んでいきたいと思っております。

 

 

【東京商品取引所の業務提携】
Q: 今朝の日経新聞に東京商品取引所とアメリカのCMEグループが業務提携に向けた交渉に入ったという報道がありまして、こうした動きに対する大臣の御所見をお聞かせいただけますか。

 

A: 基本的には、悪い方向と思っておりません。東京商品取引所がシカゴの商業取引所グループ、CMEに対して協議を行っていることについては承知いたしております。こういった国際連携を通じて、例えばLNGの上場を含めて、日本の商品市場の活性化が図られていくことを期待したいと思っております。

 

 

(以 上)