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イスラエル訪問

7年ぶりにイスラエルを訪問しました。前回、経産大臣としてイスラエルを訪問した時にも大きなポテンシャルを感じましたが、国家レベルでスタートアップを支援するイスラエルは、今や世界のイノベーションの中心と言っても過言ではありません。IT、サイバーやライフサイエンスなど、イスラエルのハイテク産業への関心は急速に高まっており、現在、イスラエルに進出する日本企業は90社以上、当時の3倍に増えています。ちなみに、前回の経産大臣としての訪問時には、ベネット現首相がカウンターパートの経済大臣で、両国の産業協力に関するMOC(Memorandum of Cooperation)に署名しました。

6月に新政権が成立したばかりのイスラエル。今回の訪問では、荘厳な佇まいの聖地エルサレムでヘルツォグ大統領、ベネット首相を表敬した後、ハイテク大国を体現する近代的な街並みのテルアビブに移動してラピード外相と会談しました。イスラエルは世界で最もワクチン接種が進んでいる国の一つ。新型コロナ対応について議論するとともに、イスラエルとアラブ諸国が次々と国交正常化を行うなど、新しいダイナミズムが起きている中東情勢、中東和平問題、来年の外交関係樹立70周年に向けた二国間協力等について、突っ込んだ議論を行いました。

エルサレム旧市街は、ユネスコの世界遺産にも登録され、歴史的建造物が宗教対立を象徴するように残っています。ユダヤ教の「嘆きの壁」(ユダヤ教徒の祈りの場)、キリスト教の「聖墳墓教会」(イエスが十字架にかけられたゴルゴダの丘に建つ教会)、イスラム教の「岩のドーム」(ムハンマドが昇天したと言われる聖岩のあるモスク)。単なる歴史・文化遺産にとどまらず、長きにわたる戦乱・紛争の歴史や中東和平問題の難しさを感じさせる街でもあります。

ちなみに、イスラエルの起源は聖書の時代に遡ります。創世記によれば、神がアブラハムにカナンの地(地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯)を与えたものの、その後の飢饉によりその孫ヤコブの時代になって一族と共にエジプトに移住しました。長い年月の末に一族はエジプトでファラオの奴隷となりますが、モーゼに率いられてエジプトを脱出し、「約束の地」に戻ったとされます。海が真っ二つに割れる「十戒」の有名なシーンは、まさにこの場面を描いたものです。

その後、イスラエルの初代の王、サウルに続く2代目の王となったのがダビデです。このダビデ王が約3000年前に建てたのが、今日私が訪れたエルサレムです。